2006年02月07日

ミュンヘン

スピルバーグが語りたいこと

スピルバーグが宇宙戦争とインディージョーンズの間で作ったと
おそらく語られることになる社会派映画「ミュンヘン」

スピルバーグは結構唐突にこういう映画を作る。

1985年にその3年前に「E.T.」でハリウッドのトップ監督に躍り出たスピルバーグが、
黒人差別と女性差別の二重苦の中で自分の道を生き抜く女性を、
ウーピー・ゴールドバーグ主演で描いた「カラーパープル」。

1987年には、SF作家J・G・バラードの自叙伝的小説を原作に、
太平洋戦争の中の上海で両親とはぐれてしまった男の子が、
日本軍の収容所で次第に大人になっていく「太陽の帝国」。
日本軍人役に、伊武雅刀、ガッツ石松、山田隆夫(笑点の座布団持ってって山田くん)が
ナイスな役回りを演じています。

そして、オスカー受賞作で今回同様ユダヤ人をテーマにした「シンドラーのリスト」、
カラーパープルよりもさらに古い奴隷制度をテーマとした「アミスタッド」、
ノルマンディ上陸作戦をテーマとした「プライベート・ライアン」

こういった社会派の映画をスピルバーグは、
SFやファンタジーやアクションといったジャンルに隠れながら
そつなくやっちゃうのである。

そうして、今回もトリノオリンピックを目の前に、
それもハマスの問題が浮上した非常にタイムリーなときに、
このユダヤ人に起きた悲劇の事実をスピルバーグはそれこそ命がけで作ってしまったのだ。

イスラエルとパレスチナの問題は、
あまりに根が深く複雑すぎる問題であるから
ここであえて多くを語らないが、

オリンピックという平和の祭典で、この2国間で起きたテロ事件は、
誰かが語ってあげなくてはならない問題だったのだろう。
それをスピルバーグがあえて自らに課したのは、
やはりユダヤ人としての誇りなのか責務なのか・・・

それはどちらにしろ、
この作品はおそらくスピルバーグが渾身の思いを込めて作った作品だと思う。
だからこそスピルバーグが語ろうとするこの映画の伝えたいことを、
ぼくはきちんと聞かないといけないと思う。

ミュンヘン.jpg

原題:MUNICH(邦題:ミュンヘン)
監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ
製作:キャスリーン・ケネディ、バリー・メンデル、コリン・ウィルソン
原作:ジョージ・ジョナス
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
音楽:ジョン・ウィリアムズ 
出演:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ
日本公開:2006年2月(アスミック・ユース)

公式サイト:http://www.munich.jp/
posted by Kadwaky悠 at 00:16| ロサンゼルス 🌁| Comment(0) | TrackBack(4) | 洋画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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